カバンの持ち手を見れば職人の技術が分かる理由
カバンを選ぶとき、何を基準に選ばれるでしょうか?
デザイン、素材、軽さ・・・など様々ですが、「その鞄を作っている職人の技術」、気にならないでしょうか?
「そんなこと言っても、技術なんてなかなか分からないでしょ?」
そんなことはありません。
ひとつの目安として、カバンの持ち手(ハンドル)を見れば鞄職人の技術が垣間見えます。
カバンにはいろんな持ち手のデザインがありますが、持ち手はカバンで一番酷使される部分です。
毎日手に持って、カバンの中身の重量を支え、歩くと上下左右に振られるわけですから。
そのため持ち手を丈夫に作ることは必須で、しかも細かい部分を縫い合わせたり、本体と縫い合わせたりと生地が何重も重なり合い、その分縫製が難しくなります。
このタイプのハンドルは、平たいもので2枚の革を合わせているので、縫製はそれほど難しくありません。ハンドルの淵(端)部分は、革の切りっぱなし部分をコバ処理といってコーティング剤を塗っています。
こちらのハンドルは、先ほどのハンドルと同じく平たい2枚の革を合わせたあと、実際手に持つ部分を補強するために更に革を巻いています。
補強している部分が何重にも革が重なっているため、縫製にやや技術が必要ですが、それでもハンドル自体が平らなので、特殊な技術が必要とまではいきません。
ハンドルの淵部分は同じくコバ塗りをしています。
ハンドルは長さを調整できるので便利な機能です。
こちらのハンドルは同じく平らなもので手に持つ部分を補強もしていますが、先ほどのハンドルとの違いは、ハンドルの淵部分をヘリ返しと言って内側に革を折り返して縫製しています。
2枚の革を合わせていて、その両方の端を折り返して縫製しているので4枚の革を縫い合わせていることになります。
細かい部分を4枚合わせて縫っていくことになるので技術が必要ですが、それでも平らなハンドルなので、やはり特殊な技術とまではいきません。
こちらのハンドルは、ハンドル内に芯材が入っており立体になっているため、熟練の技術が必要になってきます。
カバン本体と固定するための金具に通し、ハンドルの内側に革を入れ込んで縫製しているため、革の厚みを漉いて調整し、慎重な縫製をしていかないといけません。
また平らなハンドルは直線で縫うことが可能ですが、このカバンのように立体的なハンドルは曲線で縫う部分が多く、技術力が求められます。
いかがでしたでしょうか?
かばんのご購入を検討される際は、ぜひ持ち手の形状を確認し、職人の技術力を知る参考にしていただければ幸いです。
カバンショップasoboze 大西