鯖江メガネフレームは、聞けば聞くほど面白い。
国内シェア95%を超えるメガネフレームの産地です。
メガネフレームといえば鯖江と有名ですが、そもそもなぜ有名になったのでしょうか?
それは明治30年頃の昔、雪に埋もれるこの地域に、冬場産業が無く貧しい状況を打破するために、増永五左衛門さんが立ち上がり、当時新聞や書籍などの活字文化が広がりつつあったことを受け、眼鏡づくりをスタートさせたのが始まりです。
めがね産業の創始者である増永五左衛門さんは、現在の福井市生野に生まれ、明治30年頃の生野は戸数36戸に対し田畑はわずか17ヘクタールと少なく、冬になると雪に埋もれ、家に閉じこもる毎日が続く貧しい村でした。
28歳で村会議員になった五左衛門さんは、常々「ふるさと生野の暮らしをよくしたい」と考えていました。
その頃、新聞や書籍などの活字文化が広がり、眼鏡の需要が高まりつつありました。
今後眼鏡が必需品になることを考え、明治38年東京や大阪で行われていた眼鏡作りに目を付け、工場を建て、大阪から職人を招き、特に次男三男に眼鏡作りを学ばせます。
五左衛門さんの信念は、「仕事は人である 人を作るには教育」。
工場2階に夜間学校を開き、人材を育成します。
五左衛門さんの夢は、「一人でも多くの優秀な技術者を独立させたい」。
眼鏡の初めての出来に手ごたえを感じたものの、結果はさんざんたるもので、その頃東京や大阪で流行り始めた高度な製造方法を取り入れます。
その結果、福井・鯖江は昭和10年、全国一のめがね枠産地に成長しました。
さらに昭和56年世界で初めて軽くて丈夫なチタン製めがねを開発・生産し、国際的なメガネの産地としての地位を確立します。
産地が培ったチタン加工の技術は、医療や電子機器などの分野にも活かされています。
そんなメガネフレームの町・鯖江でメガネフレームと同じ素材、セルロースアセテートを使った新たな挑戦があります。
それはセルロースアセテートで作られた、ひねりを加えたことでより一層輝きを増す靴べらキーホルダー「d-Twist(ディ・ツイスト)」。
植物繊維を原料とした樹脂のことです。
上の画像は、原料の綿花になります。
植物繊維なので人体、環境にやさしい素材になります。
植物繊維を原料としたセルロースアセテートは透明感があり、また粘り気があるので壊れにくい、割れにくいという特徴があります。
また、鮮やかな色合いが宝石のように美しいです。
職人がバレルと呼ばれる研磨機を回転させ、研磨します。
それから職人の手で1つ1つ丁寧に磨き上げることによって、より一層ツヤが増し、美しい光沢が生まれます。
ムラがあれば磨き、ツヤが足りなければさらに磨きます。
光が当たったときの輝きを見て調整してゆきます。
メガネフレーム産業100年以上の意思を受け継いだ鯖江の職人だからこそ出来る技術です。
d-Twistの魅力とは?
セルロースアセテートの美しさはもちろんのこと、dの文字をひねったような立体的なデザインは、光の当たり具合をさらに加速させ、より魅力的に光ります。
見た目の面白さだけでなく、靴を履くときにこのひねりが持ちやすく、スムーズな靴べらとして役立ちます。
滑らかで、使いやすく、美しい。
メガネフレームの製造は多いもので200の工程からなり、ずっとメガネフレームを作り続けてきた、決して妥協しない鯖江職人のプライドがあります。
このd-Twistにも、鯖江職人の「かけ心地」「使い心地」「美しさ」の技術が息づいています。
カバンショップasoboze 大西